6. ずっと俺のターン!
Summary
動物の音声コミュニケーションでの“turn-taking” に関する論文3本をまとめ読みしました。
Starring
イシ、エビ
Show notes
- ヨーロッパコマドリ(robin, Erithacus rubecula): イシが参加したフィールドワークでサンプリングした鳥。
- コマドリ(Japanese robin, Luscinia akahige)
- Okobi, Banerjee et al., 2019, Science: 1つ目のSinging mouseの論文。
- Co-first authorのBanerjeeによるトーク
- Science誌のsinging miceの紹介記事: 動画も観られる。
- “note”: “syllable (音節)” のようなものという程度の認識だったがググラビリティが低すぎて調べられない(“Note that…”のような文ばかり引っかかってくる)。
- “できなくはないけど大変そう”: 「ぼくには向いていないのでやりたくない」のほうが正確かもしれない。識別可能な2個体が入り乱れられる状態でどちらがいつ鳴いたかの記録程度なら動物行動の人たちは普通にやりそう…泥臭い行動実験の熱い話は蜂の群れに人間を見た男ー坂上昭一の世界がオススメ。
- 皮質のホムンクルス
- 筋電図:
- 本編中の「3ミリ四方」とはOMCのおおよそのサイズのことを話している
- OMC (orofacial motor cortex)
- Perturbation: 人為的な操作(今回は電気刺激)で何かのプロセス(今回はOMCの正常な活動)を邪魔(“摂動”)すること。
- Subcortex: 大脳皮質の下の構造。基底核(basal ganglia)、辺縁系(limbic system)、間脳(diencephalon)
- シロビタイジョウビタキ: イシは論文紹介中におもむろに双眼鏡を覗いて窓の外の鳥を見ていた。
- GABA
- ムシモール: マリオカートのキノピオのモデル、ベニテングダケの毒成分でもある。
- “他のマウス”: 本編中で「他の(別の種の)マウスは歌わないのかも」というようなことを言っていたが、一般に使われるハツカネズミMus musculusの雄は超音波の発声(“ultrasonic vocalisation (USV)”)をすることが知られている。MusのUSVにOMCと相同な脳領域が必要なのか、social context依存の活動をするのかなど気になる。
- Hongdi et al., 2019, PLoS Biology: 異種間雑種の話でイシが想起していた論文。
- Young et al., 1999, Nature: 本編で言及されたペアボンディングの論文。
- Coleman et al., 2021, PNAS: 2つめのplain-tailed wrenの論文。オープンアクセスではない。
- Scientific AmericanのColemanら自身による紹介記事
- Plain-tailed wren
- デュエットソングの動画
- 鳴禽類のソングシステム
- 神経核
- HVC
- Premotor cortex
- Primary motor cortex
- ミラーニューロン: 本編中でイシが一言触れていたのはMooney, 2014, Philos. Trans. R. Soc. Lond., B, Biol. Sci..
- ソロの歌: Fortune, et al., 2011, Scienceの図1を見るとソロではスキマのある歌を歌っているよう。
- Banichov, Vallentin, 2020, Nat Commun: 3つめのキンカチョウの論文。オープンアクセス。
- キンカチョウ
- YouTubeでキンカチョウの鳴き返しの紹介にちょうどよい動画を見つけました。
- McKeller et al., 2019, Current Biology: イシがポッドキャストを始める前に紹介したDrosophilaのmating behaviourのaction sequenceの論文
Editorial notes
- 長かった…(イシ)
- デュエットソングの動画はすごく興味深いので是非多くの人に観て欲しい (エビ)
- 収録日: 2021.07.03
- 編集: イシ